NYダウ、月間で2784ドル安 景気後退の懸念深まる
【ニューヨーク=竹内弘文】9月30日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比500ドル(1.7%)安の2万8725ドルで取引を終えた。2万9000ドルを割り込むのは約2年ぶり。9月月間では2784ドル(8.8%)安、2022年7~9月期でみると6.7%安に落ち込んだ。インフレ圧力が緩和しないなか米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げ継続が見込まれ、景気後退懸念が一段と強まっている。

ダウ平均は1~3月期(4.6%安)、4~6月期(11.3%安)に続いて下げた。3四半期続けて下げるのは、中国人民元の切り下げが世界の金融市場を揺らした2015年以来、7年ぶり。多くの機関投資家が指標とするS&P500種株価指数やテクノロジー銘柄の比重が大きいナスダック総合指数は09年以来、初めて3四半期連続の下落となった。

株式投資家が警戒しているのは、インフレ退治のため景気への打撃をいとわずに利上げを続けるFRBの姿勢だ。FRBのパウエル議長は3会合連続となる0.75%の利上げを決めた21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に開いた会見で「経済の軟着陸は非常に困難だ」と述べた。

金融市場でも景気後退入りを予想する向きが日増しに増えている。かつてジョージ・ソロス氏のファンドを運用していた著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏は28日のCNBC主催イベントで「2023年までに景気後退がなければ驚きだ。23年末までには必ず来る」との見方を披露した。

キングスビュー・インベストメント・マネジメントのポール・ノールト氏は「米株式相場の行方はひとえにFRBがどれだけアグレッシブな利上げを続けるかどうかにかかっている」と語った。

米国債市場はすでに景気後退を示唆するシグナルを発信している。金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りは9月に一時4.3%まで上昇(債券価格は下落)し、リーマン・ショック前の07年8月以来の水準にある。10年債利回りも連れ高して9月下旬に4%台に乗せる場面があったが、一貫して2年債利回りを下回った。長い年限の利回りが短い年限を下回る「逆イールド」と呼ばれる状況は、近い将来の景気後退入りを示唆するとされる。

10月中旬から本格化する米企業の22年7~9月期決算でも、業績の下振れ懸念が強まっている。ファクトセットは30日、S&P500種株価指数の構成銘柄の平均1株利益(7~9月期)予想が3カ月前比で6.6%減少したと発表した。期中の下方修正幅としては約2年ぶりの大きさという。

さえない企業業績を背景に「10月も投資家は保守的な姿勢を継続するだろう」 (ニューヨークライフ・インベストメンツのエコノミスト、ローレン・グッドウィン氏)との声が聞かれた。

急ピッチの米利上げが投資家心理を傷めるなか、英トラス政権が23日に発表した大規模な減税策が振幅を大きくした面もあった。英国の金利急伸のショックは米国を含む世界の金融市場に広がり、リスク資産から資金が流出した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は月間で1割超下落した。

リスク回避姿勢を強めた投資マネーの受け皿となったのがドルだ。主要通貨に対するドルの総合的な強さを示すドル指数は9月に月間で3%上昇し、02年以来、約20年ぶりの水準を付けた。

英中銀のイングランド銀行が28日に英国債の無制限買い入れを発表すると、市場の動揺はやや落ち着きを見せたが、ゴールドマン・サックス・インターナショナルは30日付リポートで「英国発のボラティリティー(変動)は今後も続くだろう」と指摘した。

米利上げの行方や英財政運営、そして地政学リスクと不透明要因が重なり、金融市場は当面、不安定な値動きが当面続きそうだ。


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